今回から資金分析です。
資金分析はC/Fを利用した分析です。
前回までは、P/LやB/Sを利用した分析を紹介してきました。
C/Fは近年注目されている財務データのひとつです。
注目されている大きな理由は、企業における資金の重要性と、会計方針によって影響を受けないことでしょう。
資金の重要性は、いうまでもなく、企業の倒産は資金がショートすることによるからです。
いくら赤字でも資金があるうちは倒産しません。
逆にいくら黒字でも資金がなければ倒産してしまいます。
会計方針によって影響を受けないというのは、会計に関係することなので、少し説明が必要でしょう。
会計においては、同じ事象でも会計方針によって、利益が変わってしまうということがあります。
これは、企業によって、同じ事象でも、適した会計方針があるという考え方なのです。
会計は、企業の実態を表すように作られていますが、その企業の実態はそれぞれの環境によって異なってきます。
ですから、その企業の環境に応じて多少の幅を持たせて使えるようにされています。
これを逆に見れば、同じ事象でも企業によって違う数値、利益になるということで、単純に企業間比較することができないことを意味しています。
これは会計のもつ長短なので、仕方がないことで、単純に今の会計に不備があるという議論にはなりません。
これだけだとわかりにくいので、代表的な例をあげておきましょう。
会計処理のひとつに減価償却というものがあります。
これは、固定資産をその使用に応じた費用化をしていくための会計技術です。
たとえば、機械を取得し、これを用いて生産販売する事業を想定しましょう。
売上高は販売価額によって計上されるので問題はありません。
原価は、材料費などについてはそのまま原価として計上すればよいので問題はありません。
では、機械を使った分については、原価に入れなければならないことは直感的にわかるのですが、どうすればよいでしょうか。
機械の取得代を取得時に原価とすればよいのでしょうか?
これは、直感的におかしいということはお分かりでしょう。
たとえば機械を20年使用できるのに、取得時の1年目に費用にしてしまうのは変ですね。
なぜなら、1年目だけ大赤字になって、二年目以降が利益がでるという形になってしまうからです。
20年間均等に使ったのならば、20年間で均等に原価とした方が実態に合っているとおもわれます。
こうしたことから減価償却という、一定の仮定に基づいて毎期一定額を費用化する会計技術があるのです。
この仮定がいくつか分かれています。
毎期一定に費用化していく方法(定額法)、最初は大きく減価し、だんだんその減価割合が小さくなっていく方法(定率法)、生産量に応じて減価させていく方法(生産高比例方)などがあります。
どの仮定もありうるため、企業の実態に応じて使い分けることが認められています。
このように、会計は複数の処理方法が認められているのですが、C/Fはあくまで現金等の動きを表すものなので、事実は基本的にひとつです。
現金が100万円増えればそれはどうみても現金が100万円増えたことには変わりはありません。
他の数値はありえません。
したがって、C/Fは事実と会計データが基本的に一対一で対応するのです。
ですから、C/Fは会計方針(減価償却方法など)を受けないといわれるのです。
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