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5分でわかる財務分析 実践編

13.実例を使ったインタレスト・カバレッジ・レシオのブレークダウン2

前回で、楽天の営業利益率ひいては事業利益率が突出していることがわかりました。

今回は、分母である、支払利息を見てみましょう。

楽天の支払利息は51,600千円です。

これは、売上高、売上総利益利、営業利益など主要項目と比べてとても小さい金額です。

売上高に対する比率はわずか0.29%です。

では、支払利息の元本である借入金はいくらなのか見てみましょう。

楽天の借入金は、短期借入金のみで19,500,000千円です。

この金額は大きいのでしょうか、少ないのでしょうか。

また、楽天の資金調達源泉はどのようになっているのでしょうか。

これらを読み解く鍵はC/Fです。

 

C/Fの財務C/Fを見てみましょう。

財務C/Fは63,880,620千円のプラスです。

内訳の主なものは、短期借入金により17,500,000千円プラス、株式発行により 46,526,224千円プラスです。

これをみると、楽天は資金調達のほとんどを株式発行によってまかなっており、借入金による資金調達は少ないことがわかります。

また、楽天は前期までは無借金で前期末に19,671,556千円のキャッシュを持っていました。

そして当期は企業買収に58,494,583千円キャッシュを使っています。

 

これらをまとめると、以下のように考えることができます。

楽天は期首に19,671,556千円の潤沢な資金を無借金でもっており、また営業C/Fも2,223,574千円とプラスであることから、借入金は必要なかった。

しかし、当期企業買収により58,494,583千円のキャッシュが必要となり、これに株式発行による 46,526,224千円をあてた。

ここでおよそ120億円のキャッシュ不足となるため、短期借り入れによって17,500,000千円の資金調達をした。

短期借り入れなので、一時的に期末付近で多額のキャッシュが必要となったのでしょうか。

それとも今後借り換えで短期借入金は残っていくのでしょうか。

それは、この財務諸表だけではわからないところです。

 

楽天は、借り入れに頼らなくとも手持ちキャッシュで事業でき、利益も十分に稼いでいます。

一時的に借り入れた借入金も自己資本に比べて小さく、これによる金融費用が小さいです。

その結果として、インタレスト・カバレッジ・レシオが92.5と大きくなったと考えられます。

 

ただ、この数値は大きく変動する可能性もあります。

今、楽天に借入金を除くキャッシュは約80億円あります。

今後なにかのアクシデントなどで本業がうまくいかず、営業C/Fがゼロまたはマイナスになると一気にキャッシュを食いつぶしてしまいます。

そして、金融機関から借り入れを行うことになりますが、これにより支払利息は増加します。(もちろん、市場が株式発行を認めれば借入金は増えません。)

借り入れ資金を元に順調に増収増益できればよいですが、不幸にも何期か連続で回復しなければ先ほどのインタレスト・カバレッジ・レシオは大きく下振れます。

もちろんこれはどのような会社にも言えることです。

楽天は企業買収で大きくキャッシュを使いましたので、当該企業の今後の収益性が大きな鍵となるでしょう。


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