前回説明したいろいろな利益概念、資本概念を組み合わせるといろいろな資本利益率が出来上がります。
今回は、代表的なものについて解説してみたいと思います。
そして、今回も実際の会社の財務諸表を分析したほうがわかりやすいと思うので、解説とともに実際に分析してみましょう。
1997年2月設立し、わずか6年で年商180億円の起業となったITベンチャー企業の楽天㈱の財務諸表を例にとって見ましょう。
楽天株式会社 平成15年12月期 決算短信(連結)
上のリンクから平成15年度12月期の財務諸表を開いてください。
まず、総資本当期純利益率です。
総資本当期純利益率=当期純利益/総資本
よく使用される利益率で、ROA(rate of Return On Asetts)とも呼ばれます。
会社が持っている全財産(負債+資本)を用いてどれほどの利益を生み出したかを見る指標で、代表的なものです。
実際はROAは分母が総資本であれば、利益は経常利益でも事業利益でも当期純利益でもROAと呼ばれます。
ここで、財務分析全体にかかる話ですが、分母の資本の計算方法について注意が必要です。
分母の資本は前期末と当期末の平均を用いるということです。
なぜなら、分子の利益は一年間の数値を表しているので、分母もこれに対応させて一年間の数値を使おうというものです。
前期末の資本と当期末の資本の変動を加味しようというものです。
そして、このときの資本の平均を前期末と当期末の単純平均とするのか、月次あるいは日次の資本の増減をも考慮するかでこの平均資本額は変わってきます。
ここでは月次などの資本の増減は財務諸表から読み取ることができないことと、そこまでの精度で分析することとのコストエフェクティブを考慮して前期末残高と当期末残高の資本の単純平均を用いることとします。
ちなみに、資本の変動がそれほどなく、より簡単に分析したい場合には当期末の資本を用いるてもよいかもしれません。
さて、閑話休題。
短信ののP8(PDFファイルのP9)以降が財務諸表です。
まず、分子の当期純利益はいくらでしょうか?
当期純損失52,643,960千円ですね。
総資本の前期末残高はいくらでしょうか?
34,054,604千円ですね。
そして当期末残高は188,016,232千円です。
よって、
総資本当期純利益率=-52,643,960 / (34,054,604 +188,016,232) * 2
=-47.4%
当期純利益がマイナスなので当然ROAもマイナスになります。
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