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5分でわかる財務分析 実践編

10.株主資本比率

今回は、株主資本比率(自己資本比率)です。

これも安全性分析のひとつです。

株主資本比率=株主資本/総資本

会社の総資産=総資本における株主資本の比率ですね。

B/Sの貸方を見ればわかると思いますが、

総資本=負債+株主資本

です。

なるべく有利子負債を少なくした方が財務安全性は高まります。

負債は当然利息の支払いが生じるため、確実にキャッシュアウトします。

また、収益も圧迫します。

そのため、銀行も株主資本比率の小さい会社には財務リスクに応じて利率を上乗せします。

そうするとますます収益圧迫という悪循環になります。

 

バブル崩壊後の日本企業の多くは、資産を売却して、有利子負債圧縮に勤めてきました。

ゼネコンなど、売上総利益率が支払い利息の利率より小さいところがあったのです。

これでは絶対に利益が出るはずもありません。

 

しかし、ただ単純に無借金経営がよいかというと、一概にそうは言えません。

まず、金利よりも利益率がよい事業を行っている会社で、事業拡大すればするほど収益が上がるというのであれば、借入金を増やしてでも事業拡大すべきです。

また、規模の経済が働くような事業を行っている会社も、規模を大きくして、利益率を上げることで、金利分を吸収することができます。

ここで、規模の経済とは、事業規模を大きくすればするほど収益が増大するような場合を言います。

たとえば、小売業でチェーン展開して大量仕入れを行えば、メーカーに対してより多くのリベートを要求できるでしょう。

大量に販売できれば、人件費や店舗代などの固定費が売り上げに対して小さくなるため、利益率は上昇するでしょう。

 

ほかにも借入金によるメリットはあります。

借入金のコストが支払利息であるのに対し、株主資本のコストは配当金です。

そして、配当金は税法上損金算入されませんが、支払利息は損金算入されます。

損金算入されると、税金が小さくなるため、会社に残る利益が増えます。

このような点から、無借金経営がよいとは一概に言えないのです。

 

会社それぞれの事情を考慮して分析を行わなければなりません。

 

では、今回も楽天の株主資本比率を見てみましょう。

総資本=188,016,232千円で、株主資本=26,364,837千円ですから、

株主資本比率=14.0%です。

この比率も重要な指標なので、決算短信のハイライト情報として開示されています。

日本の場合、30%が平均だといわれていますので、楽天は小さいですね。

ただ、これは子会社の証券会社の預かり金などが大きく影響していますので、本当はこれを除外して考えたほうがよいでしょう。

ためしに、「証券業における・・・」を除いて算出してみると、

株主資本比率=50.6%

となります。


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