C/Fの基礎は前回までで学んだので、今回は実際のC/Fを見てみようと思います。
また例によって、SONYの平成14年度有価証券報告書を取り上げてみましょう。
SONY 平成14年度有価証券報告書
上のリンクから平成14年度の有価証券報告書を開いてください。
p.85(89枚目) からC/Fは始まります。
まず、営業活動によるキャッシュフローです。
その内訳として、当期純利益からはじまり、その下に減価償却費や投資有価証券売却益などという項目があります。
さらにその下には、受取手形及び売掛金の減少や棚卸資産の減少などという項目があります。
これらの合計が営業活動によるキャッシュフローの金額になっています。
前回の説明では、営業キャッシュフローは、会社の主たる事業(営業)にかかるお金の動きで、給料や商品の仕入れ、販売などがこれに当たると説明しました。
これをわかりやすくするためには、営業キャッシュフローの内訳としては、下の表の形のほうがよいと思います。
| 営業活動によるキャッシュフロー |
|
| 営業収入 |
*** |
| 原材料または商品の仕入れ支出 |
-*** |
| 人件費支出 |
-*** |
しかし、多くの企業のC/Fはこのような表示ではなくて、法人税等調整前当期純利益(SONYは当期純利益としていますが、税引き前からスタートするのが一般的です。)に調整する形で営業活動によるキャッシュフローを導きます。
これは、C/Fの作成の技術的な問題で後者のほうが作成しやすいからです。
C/Fの表示方法としては、前者を直接法、後者を間接法といい、両者とも認められています。
間接法は、会計がわからないと理解するのが難しいです。
当ホームページは経営者のための有用な知識を提供することを目的としていますので、細かい技術的な話は省略します。
営業活動によるキャッシュフロー合計がいくらなのか、増えているか、減っているかに注目し、その内訳は気にしなくてもよいでしょう。
閑話休題、営業キャッシュフローについてですが、この数値が一番大切です。
なぜなら会社の主たる業務でいかに現金を稼いでいるかがわかるからです。
当然通常はここの金額がプラスでキャッシュフローの中で一番大きい数値となります。
したがって、ここがマイナスの会社は大問題です。
本業で現金を稼げていないということは、将来確実に稼げるという保証がない以上、倒産の危機に直面しているといえます。
この点、SONYは8兆円の現金を稼ぎ出したことがわかります。
次に、投資活動によるキャッシュフローです。
営業キャッシュフローは間接法で表示されていたため直感的にわかりにくかったかもしれませんが、ここ以降は、必ず直接法のような表示となりますので、わかりやすいでしょう。
SONYは投資キャッシュフローが7兆円のマイナスです。
内訳を見ると、金融ビジネスにおける投資及び貸付ということで、SONYの銀行や保険会社などの金融会社の投資や貸付による現金の減少が大きな理由ということがわかります。
そのほか、固定資産の取得などの現金流出がありますが、通常の会社は投資キャッシュフローはマイナスとなります。
最後に、財務活動によるキャッシュフローです。
SONYは930億円のマイナスとなっています。
その内訳を見ると、長期借入金の返済による現金流出と、銀行ビジネスによる顧客預金の増加による流入が大きな原因です。
SONYグループのC/Fを見ると、大雑把ですが、本業で現金を稼いで、投資や貸付をし、さらに以前に借り入れた借り入れを返済していることが見て取れます。
よくあるケースで、営業キャッシュフローが小さく、投資キャッシュフローのマイナスを補うために、借入金などによって財務キャッシュフローがプラスになっている場合は、投資に回すお金を本業から稼げず、銀行などからの借り入れでまかなっているということになり、将来営業キャッシュフローが伸びなければ倒産の危険があることがわかります。
このように、C/Fをみると、会社の動きが非常によくわかるようになります。
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