資本金の額を決めましょう

会社を設立するためには、資本金の額を決める必要があります。

資本金とは

まずはじめに、皆さんに資本金について質問があります。

資本金について普段、どのような感覚をお持ちですか?
「当社は資本金1億円です。」といわれたときに、「じゃあ、お金を持ってるから安心して取引できる。」と思いますか?実はそう単純なものでもありません。順をおってお話します。

資本金とは、会社が新しく株式を発行した際に、その株式と交換にもらった現金のことをいいます。
別の言い方をすれば、会社が事業を行うにあたって、株主から預かった元手のことを意味します。
会社は、この元手を使って、商品を仕入れたり、事業に必要な機械や備品を購入したり、従業員の給料を払ったりします。
そして、仕入れた商品を販売したり、購入した機械で製品を製造・販売したり、給与をもらった従業員が働くことで、会社は利益を得ます。
この利益をもとに再び事業に必要なお金を使ったり、株主に配当したりします。
このようなサイクルの一番最初の元手になるものが資本金です。

資本金について、ちゃんと理解している人は実はそれほど多くありません。
資本金や資本という用語は、さまざまな意味で使われることが、多くの人の理解を妨げている要因だと思われます。
たとえば、先ほどの会社の元手という意味の資本金のほか、会社が個別に事業投資する場合の投資資本の意味で資本など、実にさまざまな場面で使われるのです。

では、資本金について理解するのは、大変でないかと思うかもしれません。
しかし、会社法上の資本金については、実は上記が資本金の本質を説明しています。
まさに、上図のサイクルの一番最初の元手を資本金と理解しておいて間違いありません。(このような説明の仕方は一般的ではありませんが、とても理解しやすいと思います。)
ここまで理解した皆さんは、「当社は資本金1億円の会社です。」といわれても、「今現在現金で1億円を持っているとは限らないから、安心して取引できるかどうかの判断基準にはならない。」ということがスムーズに理解できると思います。
確かに、株主が出資した時点では、現金1億円あったかもしれません。
しかし、その1億円は、商品仕入、従業員給与、家賃、機械設備の取得などの支払いに使ってしまっているのです。
商売が下手な場合には、商品がまったく売れず、機械も役に立たずで1億円使い果たしているかもしれません。 

資本金の額の決め方

さて、そろそろ本題の資本金の額の決め方について解説します。
資本金の額の決め方のポイントは、以下の2つです。

1.節税のため必要最小限の金額にする(上限の設定)

2.元手として必要な金額は最低用意する(下限の設定)

まずは、上限側のお話です。
資本金の額は、実は登録免許税、法人税、消費税に関係します。

法人税では、資本金3千万円と1億円の2点が大きく取り扱いが異なる分岐点となっています。
資本金は小さければ小さいほど優遇されるため、まずは、多くの資金が必要なければ資本金3千万円以下とするのがよいでしょう。

消費税は、資本金1千万円未満の場合設立後2年間免税されるため、資本金1千万円未満とするのがよいでしょう。
消費税の免税は、それだけで最大5%の利益率増加ですから、大変お得です。

登録免許税は、資本金の7/1000と、15万円のいずれか大きい金額となっています。
したがって、資本金2142万円以下までは、登録免許税は15万円ですみます。

結論としては、資本金の上限は 999万円とするのが良いということになります。

ここで将来増資することも含めて知っておいた方がお得な情報を提供しましょう。
会社法では、出資された金額のうち、その1/2までは資本金としないことができるという規定があることです。
したがって、将来お金が必要となり、増資せざるを得ない場合でも、出資金額の1/2を資本金とすることで、できるだけ資本金を小さくするのが、節税のためにはよいでしょう。

会社設立に当たって、資本金を小さくした方がよい理由が他にもあります。
仮に現在手持ちの資金が十分にあったとして、事業にそれほど現金が必要ない場合は、不必要な額を資本金にしない方が良いでしょう。

それは、資本金を大きくして、自分の手持ちが少なくなってしまい、給与を会社からもらわなければ生活出来ないようになってしまうと、自分自身に支払う給与で所得税と社会保険がかかってしまうからです。それよりも、手持ち資金をある程度残しておき、自分自身に支払う給与は最低限まで抑えることが所得税と社会保険料の節約になります。

次に、下限側のお話です。

資本金の額は、短期的な現金支出、つまり、資金繰りに必要な運転資金と、初期投資にかかる資金をまかなえるだけは最低必要です。

これは、自分で資金繰り表を作ってみたら良いと思いますが、難しい方もいるでしょうから、必要に応じて下記の「資本金はいくらがちょうどいい?」というツールを利用してみてください。必要な資本金額を自動計算します。

「資本金はいくらがちょうどいい?」での資本金の基本的な考え方は、以下の2つです。
(1) 少なくとも短期間(例えば3ヶ月間)の現金収入から必ず払わなければならない現金支出を差し引いた額は設立時に必要
(2) 少なくとも会社設立前に支払わなければならない現金支出は必要

資本金はいくらがちょうどいい?


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