会社設立は高品質で順風満帆!

免疫力を強化し、ぜい肉を落とし、会社を健康にする
内部統制はなぜ必要?(3/6)

内部統制は、人間で言う免疫力ですから、これがなかったり、弱っていたりすると会社はだめになってしまいます。
内部統制が弱いばかりに、順調だった事業が失敗してしまう例を、何度も見聞きしました。
ベンチャー企業では、一つのミスや不正が命取りになることが多いです。
以下、内部統制の欠陥から生じたミスや不正で破綻した会社の事例を見てみましょう。

事例1(B社営業担当者のミス):

A社では、取引先の支払能力を十分に評価する仕組みがなく、また、契約の取り交わしについて責任者の承認なく、営業担当者Bさんが勝手に行える体制でした。
Bさんは、商品を売ることばかりに夢中で、取引先の経営状態が悪化していることに気がつかず、取引先C社からの大量の発注を喜んで受けました。
上司の許可を得ることなく商品を仕入れ、引き渡しましたが、取引先C社からの代金の支払いが期限を過ぎてもありませんでした。
その後何度もC社に支払を催促しても、お金がないことや、契約書を取り交わしていないので、金額が違うなどといってゴネているうちに連絡が付かなくなってしまいました。
C社からの入金を資金繰りに考慮して仕入や、他の取引を行っていたため、結局資金繰りがつかず、A社は倒産してしまいました。

このような一回のミスが小さな会社にとっては命取りになります。
上の例には内部統制上の不備がいくつか含まれていますが、皆さんはすべてわかったでしょうか?
どうすればこのような失敗を防ぐことができたのでしょうか?
また、いろんな取引パターンでも対応できる内部統制はどのようなものなのでしょうか?

事例2(X社経理担当者の不正):

別の例としては、X社の経理担当者Yさんは、会社の入金・出金(振込)と記帳の二つの仕事を任されていました。
ある時、Z社に対して売掛金が100万円あり、Z社から100万円の振込がなされました。
Yさんは、Z社の売掛金を50万円だけ入金処理し、差額の50万円は勝手に口座から引き落として着服しました。
その後は、Z社以外の会社からの入金をZ社の売掛金残高50万円の入金としたりしていたため、売掛金の回収遅延という形では発見されませんでした。
また、帳簿上の現金預金残高と通帳の残高も一致していたため、月次の決算でも整合しており、発見されませんでした。
このように、売掛金の中の相手先をぐるぐる入れ替えながら、Yさんは長年にわたり多額の着服をし、どうにもやりくりができなくなった時点で発見されましたが、時すでに遅く、会社に多額の損失が発生していました。
Yさんに損害賠償を請求しても、Yさんはすでにお金を使ってしまっていて、返すあてはありません。
結局X社は資金繰りがつかずに倒産してしまいました。

X社は、取引先に対して適度に残高確認を行っていたり、売掛金の回収遅延の管理を行っていたり、毎月帳簿上の現金預金残高と通帳残高を照合しているなど、比較的チェック機能があるにもかかわらず、1つの内部統制上の不備で倒産してしまいました。
上記の例で、何が問題だったかわかったでしょうか?
また、もれなく内部統制を整備することの大切さに気がついたでしょうか?

このように内部統制は会社にとって、とても重要です。
小さな会社だから必要ないと言うことはありません。
むしろ小さな会社だからこそ、一つのミスも不正も許されないと思わなければなりません。

このように書くとミスや不正防止のために窮屈になるし、従業員を疑っているようで気分が悪いと思う方もいらっしゃると思います。
しかし、内部統制は従業員を監視するための仕組みではなく、逆に守るための仕組みだと言うことを忘れてはいけません。
大きく見れば、会社を守ることで会社の一員である従業員を守ることになりますし、小さく見ても、個人の弱い心、つい魔が差してしまう心から守ることになるのです。
また、会社に損害を与えるようなミスを事前に発見することも個人の従業員を守ることになるのです。
このような考え方は、京セラ創業者の稲盛和夫氏の著書「実学」でも取り上げられており、経営者としては大変参考になります。

このように内部統制は、会社にとって欠かすことのできない、非常に重要な仕組みなのです。

>>> 次に、会社のぜい肉はどのようなものかを詳しく知りたい。(4/5)


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